自著を語る―――
「遊びをせんとや生れけむ、戯れせんとや生れけん…」
人間は遊戯を通して文化を作るのだそうだ。友人は「インターバル何本」など目標を設定して走らなけりゃ速くならない」と言う。私は「いやいや速く走るだけが能じゃない。走りたいように走ればいい!」と自己肯定をする。子どもの走り、若者の目一杯の走りなどランニングにもそれぞれ個性がある。なにも皆が東京マラソンをめざす必要はない。人影のない森の中を走る方が快適という人も多い。
現在の私の走りは、ママチャリで舗装のない里道をゆるりゆるりと行く感じだ。ゆっくり行けば故障はないし景色も見える。芭蕉さまのように一句できるかも。風を感じる詩をそらんじることもできる。
「個性あるランニングをしましょう!」という提案のつもりでこの本を作りました。表紙がそれを象徴してくれています。