自著を語る―――
近代ベースボールの日本伝来は、明治5(1872)年。著名な文学者(俳人・歌人)正岡子規(1867-1902)は学生(東大予備門・一中)時代、このベースボールに熱中する。試合では主にキャッチャーをした。しかし、21歳のとき結核に罹り、23歳でプレイを断念する。さぞかし無念だったろう。
子規はベースボール程愉快な遊技はないとして、プレイを楽しんだ他、ベースボール用語やルール、技術を解説したり、バットとボールを松山に持参して指導したり、ベースボール俳句九句・短歌九首を詠み発表等した。子規のこうした活動が没後100年の2002年、栄えある「野球殿堂入り」に繋がった。
ところで、子規がプレイした頃のベースボールは、今の野球とは違う。道具はボールとバットのみ、ピッチャーはバッターが望む高さに下手から投げ、打球はワンバウンドで捕ればアウトだった。
『本書』では、近代ベースボールの伝来とその後の発展経過、子規とベースボールを巡る様々な事項について詳述した。読者には、「子規と明治のベースボール」の真実を、是非とも知って欲しい。